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月別: 2020年3月

守られるべき様式美

心のどこかで「ずっと変わらないと思い込んでいたもの」って、ありませんか?
「あの人はずっと変わらず元気に10年後も生きてるんじゃないか?」と思う人が身近な人に限らず、いませんか?


皆さん既にご存じかと思われますが、志村けんさんがコロナウイルス感染によりお亡くなりになりました。
まだ70歳だったそうで。

どうも、六弦A助です。
珍しく芸能人の訃報に触れます。
思い返すと2016年にデヴィッド・ボウイが亡くなったときの衝撃とはまた別の、何と言いますか、例えるならこうです。

小さな頃からずっと近所に住んでいた少し風変わりなおじさんがいて、ご近所さん達からはあまり好かれてはいなかったんだけど、なぜか自分はそのおじさんのことが嫌いになれなかったのでよく話しかけていたと。
そしたらいつしかそのおじさん、自分にだけは心を開いてくれるようになって、よく家に招待されたり、いつも学校へ行くときに「忘れ物はないか? 車に気を付けて行けよ」なんて声をかけてくれたりと、何かとお世話になったとしましょう。
いつしか自分は大学生になって、住み慣れた実家のある土地を離れて上京し、一人暮らしを始めてそのまま就職し、しばらくまともに帰省すらできていなかったとしましょう。
そんなある日、母から電話がかかってきて「またあとで掛けなおすからいいや」と思っていたら今度はLINEに母からのメッセージが。
何だか忙しないなぁと仕方なく見てみたら「あのおじさん、今日亡くなったって」とあった瞬間の心を抉られるような衝撃に近いです。
長くてすみません。

志村けんさんといえばバカ殿が有名ですが、何といっても「8時だョ! 全員集合」が私にとっては直撃世代だったので、子供のころから慣れ親しんだ人がある日突然いなくなるのは、やはり来ますね。

この喪失感の正体はですね、志村けんさんがいなくなったことに加え、おそらく志村けんさんの笑い(特にバカ殿)が様式美だったからだと思われます。
例えばビートたけしさんにしてもそうなのですが、誤解を恐れずに言うと、彼らの笑いは今の時代において特に面白いわけではないのです。
面白いわけではないけれど、なぜか昔からずっと変わらないスタイルなのです。それが見ていて視聴者に安心感を与えているのです。
吉本新喜劇のベテランによるボケもそうです。
この「いつでも変わらずそこにあるのが自然だった何か」が失われたことによる 喪失感 なのです。

エンタメも社会も常に変化が求められる昨今ではありますが、こうした「変わらないことが大勢の人たちにとって一定の価値を生んでいる」というような様式美も、少しは見直されてくれればと思います。

ご冥福をお祈りいたします。

不要不急の駄作は控えるよう要請

夏コミ (C98) が中止になりました。
何気に1975年の開催以来はじめてのことだそうです。

それにしても唐突に過激な見出しですが、これから始まる内容とはまるで関係がありません。
ただの思いつきですので、深い意味は一切ありません。


どうも。六弦A助です。

世間は新聞もニュースもSNSもコロナの話題で持ちきりですね。
政府による外出控えの要請により、街はどこも人影がまばらです。
新聞で人のいない渋谷のスクランブル交差点の写真を見ましたが、何だか現実離れをした光景のように思えました。
まるで邦画のワンシーンのような。
少なくとも私の知っている渋谷ではありませんし、皆さんもそうでしょう。

話は代わりまして、昨年から請け負っていたゲームのBGM制作がもう少しで完パケ予定なのですね。
こちらの作業が終わり次第、我が六弦アリスは次の新譜の制作に取り掛かる予定です。
新譜のテーマや楽曲の雰囲気などの概要はすでに決まっているので、いまから制作に入るのが楽しみです。
暇さえあれば資料集めをしているほどに。
音の傾向は少しオリエンタルな雰囲気になるでしょうか。

お楽しみに。

コロナショックと世界の行方

コロナショックによる世界経済の冷え込みが止まりません。

ごきげんよう。六弦A助です。
先日とうとう日経平均株価が17,000円台にまで下落しました。
円は買われても日本株は売られるという状況です。(と言っている間に再び円安方向へ戻りました)
ちなみに製造業が軒並み冴えず、このまま行けば経済的にも危ないと言われていた今年1月時点での日経平均株価で23,000円台を推移していました。
そんな中での今回のパンデミックです。
つまり、今の状況は完全に有事の相場であることは言うまでもありません。
政府もさすがにあの手この手で様々な救済措置を講じています。
中でも中小企業への無利子・無担保での融資はまだ開始されていないとは言え、とても思い切った施策だったといえるでしょう。

中小企業の多くは1ヶ月分の手元資金しかないと言われているので、ほぼ純利益と借入返済のバランスで毎月凌いでいる状態とも言い換えられます。
ですのでこの先、資金が比較的潤沢な企業によるM&A (買収や合併) が進んでコロナショックによるグローバルな企業間格差が更に加速することも予想されます。

企業が競争力を失うと市場の需要とは合致しない価格や供給量を市場ではなく企業が決めるという不経済が起きるので、このまま政府が介入せずに市場を放置していると緩やかにインフレへと突き進むことも考えられます。
インフレはモノの価格が高騰する状態ですので、賃金が上昇しなければ物が買えなくなります。
人々による値上げ前の買い占めも起きるでしょうから更なる価格の高騰を招きます。

ところが企業は生産性を上げるために賃金の底上げをしなくなるのです。特に中小企業の場合。
そもそもやりたくてもできない事情がありますね。この世界的な不況で。

生産性は生産量や付加価値を労働人数や労働量で割ったものですので、分母の労働人数を減らせば理論上、生産性は上がります。
生産性が上がるとそれがそのまま増益になるかと言えばそう簡単ではないのですが、仮にそうなった場合は企業による投資量が伸びます。
投資量が伸びれば国民所得もじわじわと増えて、やがて景気は回復するでしょう。
しかしこの不況下、そうはならないと多くの投資家も見ています。
それが連日の下落相場にしっかりとあらわれています。

すると何が起きるかというと、皆お金がないのでモノが売れずに仕方なく企業も価格を下げて、めでたくスタート地点のデフレに終息して元通りになる、と思いきやこれもそうはならないのですね。
なぜなら既にその頃には、生産性を上げるための人件費削減による失業率の増加と有効求人倍率(求職者ひとりあたりどれくらいの求人数があるか)の減少という不経済が発生しているからです。
これでは国民ひとりあたりの賃金が伸びません。お金が出回らなければ企業もひたすら生産性を上げ続けなければならなくなります。
この場合の生産性アップとは、当然人件費のカットを意味します。
カットされた分は労働集約的な機械の購入やデジタル化に使われるでしょう。
ではどうすれば良いのでしょうか。

政府による介入は当然として、よくある論だと「みんながお金を使えば市場にお金が出回るので、経済が回る。だから皆お金を使おう」というのは確かに正しい答えのひとつです。
しかし実際はどうでしょう。
皆、自分だけは最後に惨めな思いをしたくないと考えて、更に消費を控えるようになります。
なぜなら、この世界的な不況がいつ終わるかが誰にも分らないからです。

冒頭にて「 今の状況は完全に有事の相場 」とお話をしました。
有事にあれこれ言ってても何も進まず、何も対抗策を打たなければものすごい速さで経済が下火になるばかりですので、政府としても思い切った助成金や無利子・無担保の融資を行うといった施策をかつてないスピードで行っています。
これだけ円をばら撒くのはマクロ経済的に見ても明らかに有事だからです。

ここからさらに踏み込んで、例えばコロナ騒ぎが収束するまで政府が国民の最低限の経済的安全を保障するといった政策を打ち出したとします。
すると国民は生活の維持を担保されて安心しますから、給付された助成金は貯蓄に回らず消費へと向けられるでしょう。
消費が増えれば企業も投資を行いますし、人件費を削らなくて済みます。すると求人数もまた伸びるでしょうし失業率も改善されます。
やがて経済が回り始めたら既に出回り過ぎている円を日銀の引き締め政策(売りオペ)によって市場から引き上げれば当面はめでたしです。
この頃にはドル円も落ち着いている頃合いでしょう。

もしもそうならないとすれば、アメリカと中国の関係が非常にまずい状況になり、地政学的に日本も巻き込まれる形で短期間に大量の円が売られてインフレになるか債務不履行(デフォルト)が発生します。
そうならないことを願うばかりです。